第25回 日本生体磁気学会大会 25TH ANNUAL MEETING OF JAPAN BIOMAGNETISM AND BIOELECTROMAGNETICS SOCIETY ASSOCIATION

大会長ご挨拶

 この度、第25回日本生体磁気学会大会 (The 25th Annual meeting of Japan Biomagnetism and Bioelectromagnetics Society, JBiomag2010) のお世話をさせていただくことになりました。東京大学柏キャンパスで本格的な学会を開催するのは初めてであり、大変嬉しく、また光栄に存じます。本年(2010年)は、3月末にBiomag2010がクロアチアで開催されることになりましたので、開催日を例年より遅らせて2010年7月29日(木)-7月30日(金)とし、柏キャンパス隣接地の柏の葉公園内にある、「さわやか千葉県民センター」で開催することに致しました。例年通り、SQUID計測システム、脳磁図、心磁図、磁気刺激、磁気影響、MRI/fMRI など生体と磁気をテーマとし発表を多数お願いしたいと思います。

 東京大学柏キャンパスは開設以来10年を経て、移転予定の施設もほぼ建設を終え、漸くキャンパスらしくなってまいりました。2000年の物性研究所、宇宙線研究所の移転に始まり、2003年からの新領域創成科学研究科、そして今年の数物連携宇宙研究機構、海洋研究所の移転で概成します。新領域創成科学研究科は、12の専攻、200余名の教員、そして、1500余名の大学院学生を擁する研究科であり、東京大学の研究科の中でも、最も規模の大きい研究科の一つとなっています。

 東京大学は、創設以来130年間にわたり伝統的学問分野を深く究めてきた本郷キャンパスと、戦後60年間、複数の学問分野の接点において新たな学際的領域を開拓してきた駒場キャンパスを両極として発展してきましたが、学問体系の根本的な組み替えをも視野に入れた学融合を志向する柏キャンパスを新たに開設しました。柏キャンパスは、東京大学の21世紀における新たな学問の発展に向けた構想に基づいて建設された、本郷、駒場に次ぐ第3のキャンパスとして位置づけられており、「知の冒険」を目指してさまざまな新しい取り組みが行われています。しかしながら、まだ新しいキャンパスであり講演会場等のインフラも十分に整っていないため隣接地での開催になったこと、近くに適当な観光スポットが少ないこと、真夏の暑い時期の開催となってしまったことを申し訳なく思っています。

 生体磁気学会は25回目ですが、まだまだ新しい分野を開拓中の学問です。1994年からの全頭型MEGの利用可能化に伴い、MEG研究が幅広く進展してまいりましたが、計測データ解析における逆問題解法の困難性、幅広い医用応用が未開拓などの理由から、研究の閉塞感が高まっているようにも感じられます。また、応用範囲が限定的であることに比べ、MEG装置維持費が高価なことから利用の停滞も見られるような状況です。しかしながら一方では、このような困難性の様々な解決法が、萌芽しつつあるようにも感じられます。また、脳研究全般に新しい潮流も育ちつつあるようにも思われます。

 今回の学会は、柏市のテクノパーク内にある、新しいキャンパスの息吹を感じ、生体磁気研究の新しい息吹を感じていただけるような、質実剛健で有意義な学会にしたいと考えています。特に今回は、学会参加者が、全ての発表を無理なく聴講出来るような新しい試みを企画しています。多数の皆様がご参加されますよう心よりお待ち致しております。

平成22年1月吉日
第25回日本生体磁気学会大会

大会長 武田 常広